彼は35歳。脚本家の夢はとうに破れ、アルバイトを解雇され、家賃を払う金もない。人生に絶望し、自殺することを決意。しかし、マンションから飛び降りようとしたその時、見知らぬ老人に止められる。そして、3粒の媚薬をくれた。「死にたければ、死ぬがいい。だが、その前にこれを使ってみろ」この薬を飲めば、どんな女でも彼に抱かれたくなるという。信じられなかったが、死ぬ前に騙されてみるのも悪くないと試す相手を思案する。思い浮かんだのは隣の部屋に住む水商売風の女だった。見た目は20歳前後。背が高くてとても痩せており、長い髪を金髪に染めている。夕刻になると派手に着飾って出かけて行く女だった。彼と廊下ですれ違っても挨拶すらしてこず、見下したような視線を向けてきていた。試しにその女に媚薬を使ってみると、「抱いて……何も言わずに抱いて……」と迫ってきて……。