高校3年生のさっちんは、何となく梅雨をやり過ごしていた。もうすぐ進路を決めなければならないけれど、家庭の収入を考えれば就職以外の選択肢はない。急に同級生の豊島くんから告白された。悪い気はしないのだが、あまり好みじゃない。放課後は美術部員として展示会に向けて絵を描いているけれど、筆が進まないから、唯一の部員・真から注意されてばかりだ。カラオケ店のバイトは慣れてしまえば楽なのだが、仲良くなったバイト仲間・亜弥とはやっぱり性格が合わない。ぼんやりと毎日を送るさっちん。でも、その視線の先にはいつも彼がいて、妄想を重ねていた……。