吉原の妓楼「偏鯛屋」。30代半ばの小夜はそこで遊女の教育・監督係である遣手を務めている。遣手は遊女あがりが多いため、自分の美貌を維持しようとして厚化粧をする人間が多い。しかし、小夜は化粧っ気がなく、鼻筋の通った顔立ちが気品を感じさせた。彼女に相談してくるのは遊女ばかりではない。男たちがずっと隠してきた性欲を告白し、その解消法を相談しに来るのだ。小夜はそれを聞いてあげてから、遊女に細かく指示を出し、しっかりと相手をさせている。そんな小夜は遊女だった頃、いろんな性癖の男を相手にしてきた。彼らのことをふと思い返す。春画を持ってきて、女の秘部を舐め回したいと懇願する男。小型の張型を自分の尻の穴にいれてほしいという男。尿を飲みたいという男。様々な欲望を目撃してきた小夜は……。