あらすじ辺見荘介は55歳のバツイチ独身。数年前に都会を離れ、尾道に移住していた。ある日、数年来の友人・草薙文恵から連絡があり、尾道を訪れたいと言われる。文恵は東京で大学教授の仕事をしている43歳の人妻。上品な色気のある容貌で、良家の奥様風な雰囲気を醸し出していた。そんな彼女がわざわざこっちに来るということは、何かワケアリなのか。そう思った辺見は、尾道の街を案内した後、ズバリ聞いてみるのだった。だが文恵は黙って辺見を見つめ、極力感情を抑えたような声でこう言った……「わたしを抱いて」