妖は生贄の首を採る。伝説の宝物をめぐる殺人。誤解と嘘で深まる謎。古代中国の架空世界を舞台に名コンビの推理が冴える! 「内密に碧玉河伯を持ち帰るのだ。余の命を侵すような呪いがない限り」女の腹から生まれたという翡翠・碧玉河伯が河伯村にあるとの情報が皇帝にもたらされた。命を受けた官僚の欧陸洋(おうりくりよう)は、西の辺境に向かう。旅の途中、陸洋一行は謎の銀髪男に危難を救われるが、男は河伯村で2人の人間が殺されると予言する。碧玉河伯に一年に一度生贄を捧げないと祟られるという言い伝えがある村は、生贄を選ぶ占いの最中で緊張状態にあった。そんな中、占いをしていた村長が首と腕のない遺体で発見される。村人は祟りを恐れるが、村長の娘・胡敬姫(こけいき)が村長の書いた占い結果を記した紙を持っていた。だが、そこに書かれていたのは陸洋の名であった…。友人であり共に調査を進めていた楊淵季(ようえんき)は、陸洋を救うため碧玉河伯がある森に踏み込むが、祭壇には切り取られた村長の首が供えられていた…。さらに起こる第二、第三の殺人事件。犯人は誰なのか? またその目的は?