女子大生リルは指導教官の奇怪な死に遭遇する。なんの前兆もなく、体をのけ反らせ背骨を粉砕されて死に至る……何とも不可解な死。事件直前、リルは 現場で生き物のように動く緑色の気体を目撃していた。その光景は十八年前の恐ろしい記憶を呼び戻す。幼いリルの目の前で、父もやはり緑色の気体に襲われ同じように絶命したのだった。リルにしか見えない謎の気体、物質化された恐怖《D》の正体に挑むため、事件現場にいた少年が落とした懐中時計を手がかりに、友人の由加とともに行動を開始する。異常な死亡事故の続発によって荒廃した《不適地区》で暗躍する集団、謎の少年グループの争いに巻き込まれながら、リルは《Ω都市計画社》がある計画のためにDを利用していたことを知る。