昭和28年の夏、終戦後の広島、呉の街は復旧に慌ただしかった。高校生の健介の家は漁師の網元。両親と義姉杏子の四人家族だ。杏子の夫泰介は被爆して亡くなっていた。ある日、健介がいつものように学校から帰宅すると、母親の姿はなく義姉がひとり気だるげに座っていた。アッパッパの裾から見える太腿にドキリとさせられる健介。突然杏子に腕をつかまれ、キスをされてしまう。義姉は、亡き兄の面影を自分に投影させているようだった。三十路の熟れた体が火照り、健介もまた若い欲望をたぎらせていく。果たして、二人は禁断の扉を開けてしまうのだろうか……。