あらすじ文政2年、師走も半ばの江戸日本橋は小舟町に蕎麦処「月むら庵」はあった。店で働くのは、器量よしのお浪とその義理の姉のハル。お浪には夫があったが、4年前に渡世人のいざこざに巻き込まれ亡くなる。20代半ばで後家になったが女っぷりのいい彼女に、いい寄る男は絶えなかった。裕福な米穀問屋の跡取り政之介もそのひとり。しかし、女道楽の遊冶郎を好きになるはずもなく、気になる男は真面目で頼もしい鳶火消しの千吉。ある日、店の中でお浪を巡ってこの男二人が奇妙な対決することになった。その勝負の行方とは!