あらすじ子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない.だが,おとなの目で原作を読むとき,そこにはおのずと別の世界が現出する.他をえぐり自らをえぐるスウィフト(一六六七―一七四五)の筆鋒は,ほとんど諷刺の枠をつき破り,ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない.