あらすじ「河童」は,ある精神病患者の談話を筆録したという形で書かれたユートピア小説.ここに描かれた奇妙な河童の国は,戯画化された昭和初期の日本社会であり,また,生活に,創作に行きづまっていた作者の不安と苦悩が色濃く影を落している.脱稿後半年を経ずして,芥川は自ら命を断った.(解説=吉田精一)