あらすじ「われわれの美徳は,ほとんどの場合,偽装した悪徳に過ぎない」――よく知られたこの一句が示すように,ラ・ロシュフコー(一六一三―八〇)の箴言は,愛・友情・勇気など美名の下にひそむ打算・自己愛という業を重い律動感のある一,二行の断言であばき,読者を挑発する.人間の真実を追求するフランス・モラリスト文学の最高峰.