あらすじ的にあてることを考えるな,ただ弓を引き矢が離れるのを待って射あてるのだ,という阿波師範の言葉に当惑しながら著者は六年の歳月を過ごし,その体験をふまえて講演を行なった.ここには西欧の徹底した合理的・論理的な精神がいかに日本の非合理的・直観的な思考に接近し遂に弓術を会得するに至ったかが冷静に分析されている.