あらすじ一官吏が不治の病にかかって肉体的にも精神的にも恐ろしい苦痛をなめ,死の恐怖と孤独にさいなまれながら諦観に達するまでを描く.題材には何の変哲もないが,トルストイの透徹した観察と生きて鼓動するような感覚描写は,非凡な英雄偉人の生涯にもまして,この一凡人の小さな生活にずしりとした存在感をあたえている.