あらすじ圧倒的な優位にたつ西洋文明を向うにまわし漱石は「自己本位」の立場を同時代のだれにもまして痛切に生きた.血のにじむようなその苦闘の跡を示す「現代日本の開化」「私の個人主義」など五篇の講演記録を中心に,かれの最も奥深いところから響いてくる肉声というべき日記・断片・書簡を抄録した.『漱石文芸論集』と対をなす.