「忘れかけていた古いノートをひっぱり出してみた.最初のページに1952年4月/1953年8月という日付がある.その間に書いたソネットを鉛筆で清書したもので,全部で98篇ある.それぞれの詩の肩に薄く丸や半丸や三角の印がついているが,これは私の父がつけたのだ.他に「詩学」とか「歴程」とか「文学界」とか「小説公園」など雑誌の名前も書いてあるが,果たして掲載されたのかどうか記憶がさだかではない.1953年に,『六十二のソネット』という詩集を,その98篇から父の助言を参考に取捨選択して編んだ.その後2009年に,残りの36篇を追加した.」