あらすじ「犬も猫も人間もおんなじだって.……いまに皆分るんだね」(「化鳥」).思いや痛みが境界を溶かし,草木鳥獣,死者と人とが結びあう――鮮やかに目の前の世界を読み換える鏡花の物語たち.表題作の他「清心庵」「木霊」「朱日記」「第二菎蒻本」「皮鞄の怪」「茸の舞姫」を収録,詳細な注を付す.(注・解説=松村友視)