あらすじ人の世の無常を感じ出家遁世した長明(一一五五?―一二一六).が,方丈の草庵でもなお「汝すがたは聖人にて心は濁りに染めり」と自責せずにはいられない.この苦渋にみちた著者の内面と,冷静な目によって捉えられた社会とが,和漢混淆・対句仕立ての格調ある文章で描かれる.長明自筆といわれる大福光寺本のすべての影印と翻字を付した.