あらすじ渋江抽斎(1805-58)は弘前の医官で考証学者であった.「武鑑」収集の途上で抽斎の名に遭遇し,心を惹かれた鴎外は,その事跡から交友関係,趣味,性格,家庭生活,子孫,親戚にいたるまでを克明に調べ,生きいきと描きだす.抽斎への熱い思いを淡々と記す鴎外の文章は見事というほかない.鴎外史伝ものの代表作.改版.(注・解説=中野三敏)