あらすじ新しい思想を持ち,新しい人間主義の教育によって,不合理な社会を変えて行こうとする被差別部落出身の小学校教師瀬川丑松は,ついに父の戒めを破って公衆の前で自らの出自を告白する.周囲の因習と戦う丑松の烈しい苦悩を通して,藤村(1872-1943)は,四民平等は名目だけの明治文明に鋭く迫る.1906年刊.(解説=野間宏)