あらすじゆたかな自然に懐深く抱かれた聖地,熊野.「蟻の熊野参り」という言葉どおり,人々は何かに引きつけられるように苦しい巡礼の旅を続けた.中世の記録から,上皇の御幸や一般庶民の参詣のようす,さらに熊野信仰の本質,王子社成立の謎等にせまり,長年の踏査経験をふまえて,この日本随一の古道の魅力を語り尽くす.