あらすじ戦後日本の出発期に首相・外相を務め,政治・外交の軌道を敷いた吉田茂.その講和・安保条約締結は,軽武装・経済第一主義の確立によって後の繁栄を招いたと評価されがちだが,果たしてそういえるか.著者は,彼の遺した書簡,公開された外交文書,関係者からの聞き取りを通して,天皇体制の徹底した擁護者という新しい吉田像を描き出す.