あらすじ『坊っちゃん』は数ある漱石の作品中もっとも広く親しまれている.直情径行,無鉄砲でやたら喧嘩早い坊っちゃんが赤シャツ・狸たちの一党をむこうにまわしてくり展げる痛快な物語は何度読んでも胸がすく.が,痛快だ,面白いとばかりも言っていられない.坊っちゃんは,要するに敗退するのである. (解説・注 平岡敏夫)