あらすじ「武士道はその表徴たる桜花と同じく,日本の土地に固有の花である」.こう述べる新渡戸(一八六二―一九三三)は,武士道の淵源・特質,民衆への感化を考察し,武士道がいかにして日本の精神的土壌に開花結実したかを説き明かす.「太平洋の懸橋」たらんと志した人にふさわしく,その論議は常に世界的コンテクストの中で展開される.