【特集1】暴力と政治
いま、世界中に有形無形の暴力がひろがっている。
格差と分断が深刻化し、人々の不満が噴出する政治状況。SNSを通じて増幅された憎悪は、社会の機能不全を引き起こし、暴力の引き金となっている。そのなかで虐げられる多くは、弱い立場におかれる人々にほかならない。
元首相の殺害事件から2年、米国では大統領候補者の演説の場で銃撃が起こった。また、移民やマイノリティへの暴力的な振る舞いはあとを絶たない。
社会に浸透する暴力を、民主主義はいかに止めうるのだろうか。政治との関わりから考える。
【特集2】核危機の人新世
原爆開発を主導した物理学者の苦悩を描いた映画『オッペンハイマー』。物語が描く「マンハッタン計画」の陰には故郷を追われた先住民族がいた。
広島・長崎への原爆投下、冷戦下の核開発競争、チェルノブイリや福島の原発事故。人類は核によって、地球に不可逆の影響を与えた。核の時代は、「人新世」の幕開けであった。
誰が核の恩恵を受け、誰が核の被害を被ってきたのか。
異常気象や環境汚染。折り重なる危機が地球を襲ういま、公正な未来への道筋を探る。
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