月刊誌『科学』は1931年に石原純、寺田寅彦らによって創刊された総合科学雑誌です。第一線の研究者がみずから執筆し、科学に関心を寄せる多様なバックグラウンドの読者に向けて、高度な研究成果を紹介することが、創刊以来変わらない本誌の大きな特徴です。純粋に知的好奇心をかきたてる話題から、社会との関わりの深い話題まで、幅広く取り上げます。
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【特集】絶滅危惧種の再導入をめぐる動向と課題
絶滅危惧種の“導入”――危機対応としての取り組みと課題・・・・・・宮下直
絶滅危惧種の保全における遺伝情報の役割――基礎から先端研究まで・・・・・・中濱直之
ワンプランアプローチによる絶滅危惧種保全活動――遺伝資源保存の役割・・・・・・大沼学
腸内細菌移植によるライチョウの野生復帰の試み・・・・・・土田さやか・牛田一成
タナゴ類における再導入の現状と課題――ミヤコタナゴ,ゼニタナゴにおける取り組み・・・・・・諸澤崇裕
保全の主流でない,“陸産貝類”の野生復帰への道のり・・・・・・森英章
地域社会におけるコウノトリの野生復帰――住民の受け入れとその将来像・・・・・・本田裕子
再導入を超えて――移住支援,遺伝的支援,脱絶滅・・・・・・宮下直
[巻頭エッセイ]
プラネタリウム誕生100周年――機械仕掛けの宇宙から無限の宇宙へ・・・・・・木村かおる
テングザルから紐解く人類社会の進化・・・・・・松田一希
がんとは何か――分子からのアプローチ6・・・・・・野田亮
[連載]
人間の言語能力とは何か――生成文法からの問い【番外編3】
〈鼎談〉言語学と機械学習の「共闘」は可能か?(前編)・・・・・・折田奈甫・窪田悠介・次田瞬
ナナメから見る物理学6 世界は3次元か?・・・・・・村田次郎
言語研究者,ユーラシアを彷徨う3 アムール河中流の漁撈民――ナーナイ語の現地調査へ・・・・・・風間伸次郎
日常身辺の確率的諸問題7 どうすればお金持ちになれるのか?・・・・・・原啓介
3.11以後の科学リテラシー140・・・・・・牧野淳一郎
[科学通信]
生物多様性の保全と外来種問題――外来オオサンショウウオ問題を例として・・・・・・西川完途
ショクダイオオコンニャクのいのちをつなぐ――世界最大級の「花」をつける絶滅危惧種の結実・・・・・・堤千絵
海底を覆う鬼界カルデラ巨大噴火の噴出物・・・・・・清水賢・島伸和
次号予告
表紙デザイン=佐藤篤司