月刊誌『科学』は1931年に石原純、寺田寅彦らによって創刊された総合科学雑誌です。第一線の研究者がみずから執筆し、科学に関心を寄せる多様なバックグラウンドの読者に向けて、高度な研究成果を紹介することが、創刊以来変わらない本誌の大きな特徴です。純粋に知的好奇心をかきたてる話題から、社会との関わりの深い話題まで、幅広く取り上げます。
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【特集】気候シミュレーションの展開
[黎明]
真鍋淑郎博士の大気大循環とCO2増加の数値実験――初期の研究の流れを追って・・・・・・松野太郎
気候システム研究の誕生――真鍋淑郎の業績をふりかえる・・・・・・増田耕一
電子計算機が拓いた理論的気象気候研究・・・・・・林 祥介
気候モデリングのパイオニア・・・・・・住 明正
真鍋淑郎博士と地球流体力学研究所・・・・・・山形俊男
[発展]
気候モデルから地球システムモデルへ――気候シミュレーションはどう展開してきたか・・・・・・渡部雅浩
「対流」をめぐる気候モデルの発展――真鍋淑郎氏のモデルから次世代モデルへ・・・・・・佐藤正樹
真鍋さんとの思い出・地球温暖化と台風の研究・・・・・・杉 正人
真鍋先生流のお仕事と魔法の粉・・・・・・高薮 縁
真鍋先生と行った衛星観測による放射フィードバックの解析と今後の課題・・・・・・對馬洋子
バケツモデルの先見性と陸面モデルの50年・・・・・・沖 大幹
[哲学]
するどい「見切り」,真鍋スタイル・・・・・・木本昌秀
Simplicity and Balance――真鍋流気候モデリングの哲学・・・・・・安成哲三
気候システムをシンプルに理解すること・・・・・・山中康裕
真鍋淑郎さんと共有した知的に輝かしい時間・・・・・・神沢 博
真鍋先生のノーベル物理学賞受賞から新たな世代の研究へ・・・・・・中島映至
[巻頭エッセイ]
持続可能な日本発のプレプリント・サーバのために・・・・・・有田正規
【特集2】PFAS汚染を問う
フッ素化アルキル化合物PFASによる環境汚染――曝露の実態,汚染事例と全国的課題・・・・・・原田浩二
有機フッ素化合物(PFAS)の子どもへの影響――北海道スタディから得られた知見・・・・・・岸 玲子,宮下ちひろ,伊藤佐智子,山崎圭子,アイツバマイゆふ
次世代型有機フッ素化合物の検出とメカニズムの探究・・・・・・石橋弘志
有害化学物質の人体ばく露モニタリングの重要性――「環境安全基本法」の制定を・・・・・・中下裕子
有機フッ素化合物による多摩地域の水道水汚染と住民への影響・・・・・・中地重晴,木村―黒田純子,植田武智
フォトニック結晶:研究の系譜と新しい半導体レーザーの進化・・・・・・和田智之,野田 進,大高一雄,波多腰玄一,迫田和彰,鯉沼秀臣
放射光X線先端分析手法を利用して不溶性Cs粒子の正体に迫る・・・・・・高橋嘉夫,三浦 輝,栗原雄一
[連載]
これは「復興」ですか?62 震災遺構「請戸小学校」・・・・・・豊田直巳
海底火山と大地誕生の豆知3 識海底に潜む超巨大火山・・・・・・巽 好幸
3.11以後の科学リテラシー113・・・・・・牧野淳一郎
[科学通信]
〈リレーエッセイ〉海辺の自然を見つめる
汽水域の水辺を子どもたちに返そう・・・・・・佐藤正典
日本科学振興協会の設立・・・・・・春日 匠,馬場基彰
〈コラム〉東京電力原発事故の情報公開
原発事故の被害実態への注視継続を・・・・・・木野龍逸
次号予告/編集後記