あらすじ「現代日本人の平均に近い一人の人間がどういう条件の下にでき上ったか,例を自分にとって語ろう」と著者はいう.しかし,ここには羊の歳に生れ,戦争とファシズムの荒れ狂う風土の中で,自立した精神を持ち,時世に埋没することなく生き続けた,決して平均でない力強い一個性の形成を見出すことができる.