あらすじ「間に合った……」窓から射し込む夕焼けが、闇を含んで夜へと塗り替えられようとしていて……その気配をひしひしと己が身に感じて、私はその場にしゃがみ込みこんだ。自身を抱いてほんの数分……銀の髪色と肩ほどの長さや薄紅の虹彩はそのままに、私は変わってしまう。ついさっきまでの、本来の性別の私はいなくなる。そこにいるのは「女」へと変わってしまった「男(私)」だ。日が昇り朝が来るまで、私は──……