他人は利己的で、強欲で不誠実だと思い込む「シニシズム」が職場で広がりを見せている。シニシズムの蔓延は、従業員のモチベーション低下やイノベーションの阻害などを引き起こす。マイクロソフトもこの問題に直面した。同社が2014年に苦境に陥った背景には、シニシズムが従業員間の不信感や競争意識、派閥意識を招いたことがある。本書では、何十年にもわたり積み重ねられてきた研究を通じて、シニシズムの問題を明らかにしたうえで、人々がどのようにして「シニシズムの罠」に陥るか、組織のいかなる方針や慣行がシニシズムを招く可能性があるか、そして、従業員がこの罠に陥るのを防ぐためにリーダーは何ができるかについて洞察を提示する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2023年3月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。