“亡き吉田秀和氏がホロヴィッツを「ひびのはいった骨董品」と評したのは有名な話だが、ひびが入るどころかバリバリの新品の完成度に「骨董品」の味わいを加えた弾き手がたくさんいることに驚かされる。
なぜ彼らは、体力・記憶力の衰えにもめげず、演奏活動を継続させることができたのか。内外の長寿ピアニスト40人を紹介しつつ、息の長い活動の秘訣をさぐってみよう。(序文より)”
アルド・チッコリーニ、イェルク・デムス、パウル・バドゥラ=スコダ、イングリット・フジコ・ヘミング、マリア・ジョアン・ピレシュ、アレクセイ・リュビモフ、ダニエル・バレンボイム、マルタ・アルゲリッチ、ラドゥ・ルプー、ヴァレリー・アファナシエフ、高橋悠治、高橋アキ、室井摩耶子、舘野泉、そして著者・青柳いづみこ自身……
長いキャリアを経てなお矍鑠として活躍をつづけ、わたしたちに味わい深い音楽を届けてくれる「ヴィンテージ・ピアニスト」たち。
自身ピアニストとして第一線で活躍する著者ならではの洞察と柔らかな感性で、彼らの芸術の源泉に肉迫する。
音楽情報誌『音遊人(みゅーじん)』の人気連載、待望の単行本化!