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これまで経済学を中心に発展してきたゲーム理論は、社会科学の分野はもちろんのこと、現在では、工学系の広い分野にも応用されている。特に近年は、人工知能やデータサイエンスなどの計算機科学や情報系の分野でも盛んに応用・研究されており、非常に重要視されるようになっている。
個人や企業の行動を分析し、社会をモデル化する一般的な枠組みを与えるゲーム理論は、統計学やプログラミング、最適化の数学と同様に、あらゆる分野に必要とされる理論であり、今後、ゲーム理論を学びたいという人たちは益々増えてくると思われる。
そこで本書は、初めてゲーム理論を学ぶ方でも数式で理解できるように、わかりやすい言葉で、なるべく省略することなく丁寧に解説することで、読者が一歩ずつ学んでいけることを目指して執筆したものである。そのために、数式による定義は最小限にした上で、その数式の意味を言葉で言い換えて、例や例題を使って解説した。
なお、各章の演習問題の中で難しいと思われる問題や、詳しい説明が必要と考えられる問題については、裳華房のWebページにその解説をPDFで掲載。ダウンロードもできるので、各自の必要に応じて参照してほしい。