どんな欲求も満たせる、官能の館。
ここで起きたことは、他言無用。
豊かな漆黒の髪。知性を感じさせる瞳。高級スーツの下の鍛え抜かれた肉体。
セックスと金に不自由したことなど一度もない、ファッション帝国の若き後継者、ダンテ・リッチ。
その彼に顧問弁護士に指名されたソニアは、彼が買収予定のリゾート・ホテルへ誘われた。
VIP専用の螺旋階段を上ると、バニラとシナモンの香り漂う、薄暗いダイニングスペースが現れた。
そこは、カードに綴った官能的な夢想を“デザート”として提供するレストランなのだという。
「ここで休暇を過ごす客は、快楽に溺れ、あらゆる欲望を満たせる」
なまめかしい個室でのディナー。その間中、彼との甘美な妄想に体を火照らせていたソニアは、酔いも手伝いカードに書いた。
〈ダンテと狂おしくアブノーマルなセックスをしたい〉
ダンテの顔に、熱く飢えた欲望が垣間見えた。導かれたカーテンの奥には巨大なマホガニーのベッドが、
そして壁の飾り棚には、様々なアダルトグッズが並べられていて――