平凡で負けず嫌いな私は、なんでも完璧な優等生・小牧に、大事なものをいくつも奪われてきた。なのに――小牧を嫌いになれない。じゃあ好き? はっきりしない自分の気持ちが薄情にも思えるけど、小牧の心もまだ理解できていないのだ。夏織と街に出かけたらナンパを心配し後をつけてきて、かと思ったら茉凛にもらった本当に大切なリップを奪い捨てられ。小牧が見せる「わかばが嫌い」という態度と、周りが感じ取っていたらしい「わかばが好き」という態度。どちらが本当の小牧か・・・・・・確かめたい、全部知りたい。この先に待つのは小牧の誕生日、そして文化祭。心に触れたいのなら――ここで勝負が必要だ。※本作品の電子版には本編終了後にスニーカー文庫『好きな子のいもうと』(著:犬甘あんず)のお試し版が収録されています。