主人公はしがないタクシードライバー。その夜の客は、二十代後半ほどの人妻だった。「前のタクシーを、気づかれず追ってください」なにやら訳ありの様子の彼女に指示されるまま、前の車を追い始める主人公。しばらく追跡を続けると、そのタクシーはラブホテルの駐車場へと消えていった。それを見て彼女は暗い表情を浮かべる……。どうやら前の車には、彼女の夫とその不倫相手が乗っていた様子。彼女は思いつめた表情のまま、主人公の太ももへと手を這わせる。「あたし、悔しいんです。どうしたら気が収まるか……」 彼女の思いに応えるように、主人公のタクシーもまた夜の暗がりへと消えていく。