本書は著者陣5名が、長年の実践経験から得た知見を持ち寄りました。結果的に、ざっと50社のシステム運用実績が、この1冊に反映されています。大きくは、以下の2つの基礎知識を網羅しています。
(1)システムの開発フェーズで行う「運用設計」において、予め検討しておくべき様々な事柄
(2)システムの維持管理・保守運用フェーズにおいて、長期間行い続ける様々な事柄
従って、(1)の開発者チームと、(2)の運用チームのメンバー、それぞれに役立つだけでなく、両者のスムースな連携を可能とします。さらに、開発と運用の両面からシステムの成長・変化に寄り添い続けるDevOpsの下地にもなります。ほかにも本書には以下のような特徴があります。
【執筆上の工夫】
・失敗事例を含め、実システムの運用現場のノウハウを満載
・オンプレミスとパブリッククラウド、どちらにも通じる考え方を説明
・システムを安全に運用するためのセキュリティ基準や統制基準等にも言及
【対象読者】
・入社1~3年目くらいの若手SE
・システムの維持運用管理を1~2年経験したけれど、運用設計は未経験の方
・運用設計の本を読んだりしたものの、実際の運用業務は未経験の方
・インフラ運用、アプリ運用、業務運用までを網羅的・体系的に理解したい方
【前提とする知識】
・基本情報技術者試験、Linux(PLI Lv1等)やクラウドサービスの初級試験、それらの問題文に出てくるIT用語を理解できること
【本書が目指すゴール】
・非常に幅広い「システム運用設計」の全体像を体系的に把握する
・運用開始後を見据えた、運用設計時のポイントを理解する
・運用設計と維持運用管理について、上司やメンバーとディスカッションでき、改善点が見えてくるようになる
【本書では扱わないもの】
・特定の製品やサービスの詳細
・データセンターの運用(データセンターへシステムを受け入れてもらうまでが対象)
(本書「はじめに」より)