検屍のついでだ、捜査もやってやる!
現役解剖技官による原作がリアルな、本格ミステリ・コミック!
法医学教室の准教授・今宮と助手・梨木は、土曜日にもかかわらず仙台から遠く離れた山間部に呼び出される。事件の発見現場は、異状死体が浮かぶ蓮の池で、遺体の主は澤木正三という老人だった。彼は重篤な肝臓病を患い、妻の米子も2カ月前に同じ病で亡くなっていた。今宮が到着するなり、なぜか正三と米子の主治医が車で遁走。事件の第一発見者は幼馴染で隣家の友人。正三には同居する息子とその嫁がいた。検屍中、梨木が遺体の背面に引きずられた痕跡を見つけたところから、今宮の推理は大きく動き出す……。
日本では、不審死者数が年間17万人を数えるが、司法解剖されるのは、そのうちわずか10パーセントにすぎない。まだまだ身元不明・死因不明の遺体が、列島のそこらじゅうに存在する。そんな遺体を日々、解剖する宮城県の国立大学医学部法医学教室の若き准教授にして解剖医が死の真相と殺人事件を、天才的技術と明晰な頭脳で解き明かす第2エピソード「蓮池浄土」を収録。