その時分の私たちというのが、なんでも先生の真似をして見ようという、随分馬鹿気きっていた時分なのである。――師・夏目漱石をはじめ、寺田寅彦、鈴木三重吉、森田草平から芥川龍之介まで。漱石山房で、ともに文学談義を交わし、酒を呑み、気焔を上げた人々を、第一の弟子が回想する。文庫オリジナル
〈コミックエッセイ〉香日ゆら
目次より
夏目漱石
休息している漱石/漱石二十三回忌/漱石と恋愛/漱石二題/漱石と読書/漱石と画/漱石と烟草/偽物/注釈/「漱石発狂」の報告者/漱石文庫/漱石半身像/漱石のうちの猫/修善寺日記
寺田寅彦と松根東洋城
『漱石・寅彦・三重吉』序/「寅彦全集」/「破門」/『回想の寺田寅彦』序/漱石と寅彦/寅彦と死相/寅彦と俳諧/寅彦と羽子板/「御髭」/松根東洋城のこと
鈴木三重吉
三重吉の思い出/鈴木三重吉/三重吉のこと/青春記/写真
安倍能成
安倍のこと/眼鏡/アンシュリアム
森田草平と内田百間
森田草平/『実説草平記』/誤植/誤伝の経路/チョッキのまぼろし/白髪
野上豊一郎
野上の死/野上のこと
芥川龍之介
芥川龍之介の死/一挿話