『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九―一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた人間の魅力をあますところなく描き切った本格評伝。
【目次】
第一篇 青春と初舞台
第一章 少年期の悲劇
第二章 運命への早まった問いかけ
第三章 オラース・ド・サン・トーバン小説工場
第四章 ベルニー夫人
第五章 商業的幕間狂言
第六章 バルザックとナポレオン
第二篇 仕事部屋のバルザック
第七章 三十男
第八章 書斎のうちとそと
第九章 カストリー侯爵夫人
第十章 バルザック自己の秘密を発見す
第三篇 小説を地で行く
第十一章 未知の女