あらすじ合理主義と功利主義を基調とする近代。ゴッホ、ニーチェ、ボードレールから岡本太郎、三島由紀夫まで――、彼らは時代の趨勢に齟齬を覚えつつ、魂の声に引き寄せられ、思策と表現を行った。曖昧で無限定な概念でありながら、人々を揺り動かしてきた「魂」とはいったい何か。人間の内部と外部を通わせるその働きに、著者は現代人が見失ってしまったものを看取する。近代の異端者を通して生の息吹に触れる異色の思想史。