あらすじ“オリュウノオバ”が住む路地裏にある七代のろわれた中本の家。そこに、突然生まれた肌の黒い子・マウイ。10歳で女を知り、中本の若衆に育ったマウイは、オリュウの謎のような言葉と中本の血の逆流に突き動かされ、故郷フジナミを棄て、欲望の巷へと向かう……。本書は、『異族』『千年の愉楽』の世界に新しい展開を試みた野心作であり、現代風俗を描き切った作者会心の青春小説である。