あらすじ〈資本主義〉のシステムやその根底にある〈貨幣〉の逆説とはなにか。その怪物めいた謎をめぐって、シェイクスピアの喜劇を舞台に、登場人物の演ずる役廻りを読み解く表題作「ヴェニスの商人の資本論」。そのほか、「パンダの親指と経済人類学」など明晰な論理と軽妙な洒脱さで展開する気鋭の経済学者による貨幣や言葉の逆説についての諸考察。