あらすじ日本仏教の源流にある大乗仏教。しかし、その経典群は、ブッダ自身が説いたものではない。ブッダ入滅後、数百年後に作られたものなのだ。どうしてそのような文献が、権威を持ち、仏教史の中で大きな影響力を持ったのか。また、それらはどんな材料やどんな論理で制作されたのか。ブッダの思想やブッダの伝承とどのような関係があるのか。「仏伝」をキーワードに、仏教思想の一大転機を実証的に探りつつ、そのダイナミズムを明らかにする。