あらすじ「私はこの短編集一冊のために、十箇年を棒に振った。まる十箇年、市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。……私はこの本一冊を創るためのみに生れた」(「もの思う葦」)。第一創作集『晩年』(昭和11年刊)と、それにつづく“苦悩の時期”に書かれた諸篇を収める。晩年(葉 思い出 魚服記 列車 地球図 猿ヶ島 雀こ 道化の華 猿面冠者 逆行 彼は昔の彼ならず ロマネスク 玩具 陰火 めくら草紙) ダス・ゲマイネ 雌に就いて 虚構の春 狂言の神