あらすじ大金持ちだが、ものすごくケチな男がいた。それもただのケチではなく、衣服はボロボロ、風呂代を節約するためにアカは層をなしている。特にゾウリには擦り切れないよう釘が打ち付けられていて、重いことこの上なかった。このゾウリが、ある時から彼に次々ととんでもない事件をもたらし始める……。皮肉と笑いにみちた短篇「減らない草履」など、物語はいよいよ八百夜を超えて、佳境をむかえる。