本物の妻になるか、城の囚われ人になるか。
清らかな花嫁は冷徹な夫に迫られた。
最愛の父を亡くし、途方に暮れていた18歳のクロエ。
頼れる人は富豪のラオしかおらず、居城のあるシチリアに飛ぶと、
彼は書類上の結婚という形でクロエを守ると約束してくれた。
ラオの庇護の下、彼女はロンドンで自立の道を探す猶予を得たが、
5年後、突然ラオから呼び出され、再びシチリアへと赴いた。
ついに名ばかりの結婚の解消を言い渡されるんだわ……。
怯えるクロエはカリスマ的オーラを放つ富豪の言葉に耳を疑った。
「僕たちの結婚を本物にする時が来た。毎晩僕のベッドに入れ!」
彼女は承諾するしかなかった――跡継ぎ作りのためだけと知りつつ。