公爵家の養女として育ったオルテンシアは、桃色の髪に黄金の瞳というこの国では珍しい容姿のせいで、家族にも周りにも虐げられてきた。
しかし東西に分裂した国の争いが激化すると、オルテンシアはその見た目だけを理由に西軍の聖女として祭り上げられ、戦場に身を置くこととなった。
そんな中、敵対する東軍の将軍ランスロットと対峙したオルテンシア。
数多の武勲を立てた気高く寡黙な知将として有名なランスロットは、月のように美しく、品行方正ともっぱらの噂だ。
ところが、そんな彼にオルテンシアはあろうことか戦場のど真ん中、しかも人前で純潔を奪われてしまう――!?
捕虜となったオルテンシアは、毎日訪れるランスロットにただ抱かれ続け、抗うすべもなく感じ続けていた――。
しかし、何度も訪れる快感の中、哀しくも愛おしいとある記憶がオルテンシアの中に浮かび上がってきて……。
敵であるはずのランスロットを、こんなにも愛おしいと思ってしまうのはなぜなのか……。
そして、ランスロットがオルテンシアを囚えた真の目的とは――?
『聖女は時の檻の中で、孤独な将軍の囚愛に堕ちる(2)』には「第七話 在りし日の記憶」(後半)~「第十三話 遙か彼方の記憶」までを収録