しがない中流貴族の令嬢シェイラ・クラークは、人目を惹く容姿でありながら社交界で遠巻きにされていた。
その原因は二つ。『ゴーストが視える体質』と幼馴染の婚約者から『婚約破棄』されたこと。
父親同士の約束で幼い頃から婚約していたシェイラだったが、婚約者が名家のご令嬢に一目ぼれされたことをきっかけに、婚約破棄された。
とはいえ兄弟以上の感情を抱いていなかったシェイラは特に落ち込むことはなかったが、妹を慰めるために兄が王立劇場で話題の舞台に観劇に連れていってくれた。
その観劇の最中に、客席の上に「怪人」が現れ、舞台に照明が落下する事故が起こった。
翌日、突然クラーク家を訪ねてきたのは、華やかな容姿に似つかわしくない気配をまとっている「魅惑の鬼隊長」と呼ばれているラウルだった。
用件は捜査協力依頼だった。
そうして捜査に協力することになったシェイラだが、『鬼隊長』と恐れられるラウルが、ゴーストが苦手だということを知ってしまい……?
ゴースト騒動をきっかけに急接近するツンデレ霊感令嬢とエリート軍人の、ラブコメ×オカルトミステリ!
『魅惑の鬼隊長は、ゴーストがお嫌い。(11)』には「願いの屋敷」~「君以外にありえない」(前半)までを収録