ナジュース王国の第七王子クレインは、兄たちとも
仲良く暮らし、権力闘争とは無縁の生活を送っていた。
ずっとそうしていたいところだが、年頃となれば
いよいよ政略結婚の話が持ち上がる時期だ。
案の定、国王から命じられたのは、隣国の重要人物である
聖女ロリエとの婚姻だった。
迎えた聖女はしかし、想像以上に魅力的な美少女だった。
すっかり惚れ込み、新婚生活を楽しむクレインだったが、
そこにさらなる婚姻話が舞い込んでくる。
獣人族の娘シャフラン。
帝国王家の第五王女ノーチェ姫。
ふたりの美女を妻として迎えると、クレインの離宮は
あっというまにハーレムと化していた。
ナマイキ盛りのノーチェに振り回されつつも、
心優しいロリエを中心として、仲睦まじく暮らす
クレインたち。
妻たちの愛情と結束で、いつの間にやら王国内の人々を
それぞれが救済していたようで、クレインの評価は
王族内でも意図せず高まってしまって…。