本書は、CBDの潜在的な医療効果に関する科学文献の包括的なレビューであり、前臨床研究とヒトを対象とした臨床研究の双方からの結果を解説する。CBD(カンナビジオール)は、大麻草およびヘンプから採れる陶酔作用を持たない化合物で、ローションやスムージーからグミやペット用おやつに至るまで、さまざまな製品に含まれている。精神症、不安、疼痛、さらにはがんなどの病状の治療法として宣伝されているが、これは必ずしも科学的に立証されているわけではない。本書では、大麻研究の第一人者である3人の研究者がCBDについての科学的なエビデンスを取り上げてその潜在的な医療効果に関する科学文献の包括的なレビューを提示し、前臨床研究とヒトを対象とした臨床研究の両方から得られた知見を解説している。結果的に、現在のCBDブームは、CBDに医療効果がある可能性を示す前臨床動物研究の結果によって、ある程度裏付けられていることがわかった。一方、臨床研究は、大麻を使った研究について規定する法規によって妨げられており、基礎的な動物研究に後れを取っている。著者らは、CBDの化学的および薬理学的側面、および大麻に含まれる主要な向精神性化合物であるTHCとの相互作用について研究が示していることを検証し、さらに、てんかん、がん、悪心、疼痛、不安、PTSD、うつ病、睡眠障害、精神症、依存症の治療におけるCBDの有効性に関する最新の情報をレビューする。