本書は2018年10月に刊行された『財務経営力の強化書』の姉妹本。前著では財務経営力を中心に解説したが、本書では資金調達力を深掘りする。途中コロナ禍などもあり融資制度も企業にとっても利用しやすくなった。非対面でのビジネスモデルへのシフトが一気に加速するなどビジネス環境も大きくかわる。その一方で事業性評価、ローカルベンチマークについても制度が充実してきた。今回の大きなビジネス変化を、10年先の自社を見つめるヒントとする1冊。巻末には財務経営力の基本知識を収録。「収穫のうち4分の3を国用として用い、残りの4分の1を将来のために残しなさい」(二宮尊徳)「国に9年の蓄えなきを不足といい、6年の蓄えなきを急という。3年の蓄えなきを、国その国に非ずという」(『礼記』王制第五)難局を生き残るには●ブレない判断基準をもつこと●歴史観を基に先を読むこと●何が何でも関係者を護る覚悟をもつこと■本書の構成●プロローグ コロナショックも例外でない!? 10年に一度の危機に備えよう 10年に一度は何らかのショックがきていることを踏まえ 会計情報をいかに有効活用するかを紹介●第1章 経営者編 「資金の法則」を知って会社を守り、発展させよう 資金調達力を強化するために経営者が知っておきたい知識を解説●第2章 基礎知識編 資金調達の種類・方法などの「基本」を押さえておこう 中小企業が使える資金調達の方法や特徴を解説。●第3章 信用力強化編 決算書の「信用度」を上げて、資金調達力を強化しよう 決算書などの財務情報の信頼性を高める方●第4章 非財務情報編 非財務情報で経営力を伝えて、資金調達力を強化しよう 非財務情報などの金融機関に対する開示資料のまとめ方を解説。●第5章 経営計画編 「経営企画書」で将来像を明確にし、資金調達力を強化しよう 会社の将来像を明確にし、実現可能性の高い経営計画を立てるための方法を解説。●第6章 IT利活用 編 中小企業でもすぐにできる会計情報の“自動化"について解説。●第7章 人材強化編 資金調達力、財務経営力を向上させるための経理責任者・担当者のあり方を解説。●エピローグ非常時は必ずまたやってくる。将来の変化に備える方法などを紹介。巻末資料:決算書の読み方・分析について、押さえておきたい基本を厳選して掲載。本書は、前著『財務経営力の強化書』の続編として、「資金調達力」を高めるために、どのような知識と行動が必要か、に焦点をあてて執筆しています。ただし、単純な資金調達の方法を解説したものではありません。資金調達を目的化してはいけないのです。関係する人々の幸福を実現するために「より良い会社」の創造を通じて「より良い社会」を実現することが資金調達の共通目的であり、その目的を達成するための手段として位置づけるべきだと考えます。読者の皆様の1社でも多くが、「良い会社」を創造することにまい進していただきたく、その一助となれば幸いです。